今回の作品のテーマとして、私の頭に浮かんだのは「青春」と「挑戦」です。
大江戸助六太鼓の皆さんが、太鼓に懸けている「青春」。そして、その表現への飽くなき「挑戦」。
そのイメージに、どこかオーバーラップする題材はないか。そんな時、目にしたボクシング中継。ニ本の腕で叩き、打つボクサー。太鼓もニ本の腕と桴で叩き、打ちます。飛び散る汗と迸るエネルギー、若者がボクシングに懸けた「青春」と「挑戦」。そして現存した一人のボクサーの名前も浮かんで来ました。現役世界チャンピオンのまま、不慮の事故で天国へ旅立った天才ボクサー、大場政夫。
私の題材は決まりました。
今、大江戸助六太鼓の皆さんは、私の無理難題に大格闘の毎日です。しかし、限り無い音楽性と可能性を秘めている皆さんのこと、必ずや素晴らしい作品に仕上げて下さると、私は信じています。
湯澤 紀保