Χカイレパートリー劇場

ズビグニェフ・ラシェフスキ記念ワルシャワ演劇研究所

『女たちの合唱』[hu:r kobje+]

2011年104日(火)〜6日(木)

この秋 芸術の国 ポーランドからの芸術攻勢

「フル・コビェット-女たちの合唱-」は一体、舞台芸術のどのジャンルに分類できるだろうか。旋律を伴う歌だけで舞台が進行していくわけではない以上、文字通りの「合唱」でもなく、ストーリー性のある物語を台詞で繋いでいくものではない以上、演劇とも違う。オペラやミュージカルでもなければ、ましてダンスでもない。この不可思議さが、まず観る者の興味を引く。若者から孫がいてもおかしくなさそうな年齢の者、背の高い人、低い人、舞台のプロらしき者からアマチュアと思しき者、またスタイルの良い人、そうでもない人...、自分までもが紛れ込んでしまえそうなこの集団の構成要素には統一感は全くない。そしてほどなく、この集団を一言で表すのは「女」というキーワードだけだということに気づくのだ。彼女たちが一度口を開き始めると、客席にいる者たちはそのパワーに圧倒されることになる。
先ほど「観る」と書いたが、このパフォーマンスについては「体験する」というのがふさわしいかもしれない。観客は、彼女たちの体とポーランド語が出すことのできるありとあらゆる声・音の嵐の中にもみくちゃにされている自分を感じるのだ。歌われる、あるいは叫ばれる、囁かれる、果てには細切れにされるフレーズはいずれもどこかで見聞きしたことのあるようなものばかりであり(ポーランドでは、という但書きはつくが)、どこかに「女性性」を意識させる要素が含まれている。かといって「女たちの合唱」はその名前から想像されるようなフェミニズムを声高に叫ぶための集団でもない。女たちにとってはフェミニズムすらどうでもよいことであり、そもそも自分たちの持てる野性的な力を遠慮なしに解き放つことが唯一の目的なのだ。ポーランド語で発せられるフレーズやその背景を理解しておくにこしたことはないが、それをぬきにしたとしても、女たちのエネルギーに完全に身を委ね、濃密なステージを経験した後には一種の爽快感を味わえることだろう。人の声は計り知れぬ力を持ち、まだまだ多くの可能性を秘めているに違いないということを実感させられる舞台となっています。

公演日程

2011年10月4日(火)〜6日(木)

  4(火) 5(水) 6(木)
14:00  
19:30

※アフタートークあり

チケット

1,000円

[チケット申込]
シアターΧ

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