シアターΧ舞踏INSTITUT
『マクベス断章−遠野で見た夢』
2012年1月24日(火)〜25日(水)
遠野からケルトに向かう。森を主人公としてマクベスを見直す…最後のドンデン返しの「森が攻めてくる」というマクベスの終末を、逆にそこを出発点としてさかさまに見てみました。するとわけのわからない森の魔女たちがけっこうマットウに、人間の野望に鉄槌を下す正義漢のようにも見えてきます。それは人間中心主義そのものへの警告のようです。
ケルトの魔女たちはキリスト教によって不当に狩られてしまいましたが、わが国でも縄文以来の森を闊歩していた天狗や山ノ神たちがは明治の西欧型合理主義導入のころから消されていきました。
遠野物語には《舞踏》が求める不合理なカオス(暗黒)、遠い古代のシャーマニックな生命力と共通のものがあります。
コトバによるメッセージ芝居はしない。「言葉では言えないことさ」「きれいは汚い、汚いはきれい」というマクベスの魔女のセリフにすでに「舞踏でマクベスを料理する理由あり」…というのがワークショップ出発点でした。
しかし古今東西の演劇人が求め続けた「カラダの無意識からの演劇」は、はるかに遠い道のり。14回の舞踏インスティテュート・ワークショップで到達できるはずはありません。今は遠野的ウタタ寝の間にマクベス的神経症の片鱗が見え隠れするだけの未消化な状態です。
シアターΧ舞踏インスティチュートとは…
地震・原発事故対応、国民的なコミュニケーション障害、カラダの希薄な役者…。2011年《シアターカイ舞踏インスティチュート》は「今カラダの無意識(暗黒)の復権は急務」という危機感の中で発足しました。
30年間フランスで活動したすま子を講師として、海外でのほうがはるかに評価の高い舞踏をワールドワイドな視点から捉えなおし、《明晰なる暗黒(アカルキヤミ)》を追い続けます。
私たちの成長をどうか長い目で見守ってください。
スタッフ
構成・演出・振付 | : | 古関すま子 |
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演出助手 | : | 奥野博 |
キャスト
板津未来 稲生田マユリ
ヴィクトル・ニジェリスコイ
上野憲治 宇佐美雅司
奥野博 加治慶三
古関すま子 小林友以
迫村勝 中川敬文
玉照子 澪怜花