Χカイレパートリー劇場
『唖蝉坊演歌と明治大正の叛骨歌』
2016年1月11日(月)
土取利行・邦楽番外地
シアターXで「邦楽番外地」として土取利行がシリーズで展開してきた添田唖蝉坊・知道演歌の会。 今回は添田唖蝉坊が日露戦争勃発中に社会主義者の堺利彦と出会ってから作歌した数々のプロテストソングや、唖蝉坊演歌を誕生させた植木枝盛を始めとする明治の自由民権壮士達の歌、また川上音二郎のオッペケペーや明治大正時代に唄われた幸徳秋水、大杉栄を讃えた歌等、叛骨に充ちたこの時代の歌を紹介します。
土取利行は伴侶・桃山晴衣が添田唖蝉坊の長男で演歌師の添田知道師から長期間「正調演歌」を伝授され、その節回しや歌詞等、細部にわたって記録を残したまま昇天したことから、その意志を受け継ぎ、彼女の三味線を手に「邦楽番外地」と題して添田唖蝉坊、知道の演歌再生の旅を続けている。
添田唖蝉坊 1872年〜1944年
神奈川県大磯生まれ。18歳の時横須賀で壮士演歌に出会い、以後青年倶楽部で演歌活動を開始。 33歳で堺利彦と出会い「非戦論」に開眼。 この時社会党評議委員会にもなり、作詞作曲、唄を通して社会改革に取り組み「ラッパ節」を始め多くの名作を生み出す。 40代には「演歌」の普及に取り組み出版活動にも従事。60代で演歌活動を止め、四国遍路の旅に出る。彼の仕事は長男の添田知道に継続され演歌二代と呼ばれる。
土取利行
70年代より近藤等則、坂本龍一等と活動、75年渡米、渡欧しミルフォード・グレイブス、デレク・ベイリー、スティーブ・レイシー等と即興演奏を展開。 76年よりピーター・ブルック劇団で演奏家、音楽監督として今日なお活躍中、代表作「マハーラバータ」「ハムレット」、最近の「驚愕の谷」「Battlefield」等、多数。 80年代から桃山晴衣と立光学舎を設立。彼女の死後、添田唖蝉坊・知道演歌を継ぐ。