東京シェイクスピア・カンパニー+シアターX
『ウィンザーの陽気な女房たち』
2016年5月14日(土)
ノーカット版リーディング
この作品は、シェイクスピアが書いた唯一の市民劇です。 主役のサー・ジョン・フォルスタッフは、もともと、『ヘンリー四世』の歴史劇に登場する脇役でした。 シェイクスピアは、彼を、のちのヘンリー五世が放蕩息子だった頃の悪友として登場させました。 自惚れが強く、臆病で、ずる賢い小悪党。 太っちょで、大ボラ吹きで、酒飲みで、女たらし。 臆面もなくこそ泥をはたらき、金持ちの知り合いがいればたかりにいき、賄賂の品は何でもありがたく頂戴する、騎士の風上にもおけない男、それがジョン・フォルスタッフです。 ところが時の女王エリザベス一世は、彼をひどく気に入り、「フォルスタッフが恋に苦しむところを見たい」とシェイクスピアに所望したといわれています。 そして生まれましたのが『ウィンザーの陽気な女房たち』です。 フォルスタッフがウィンザーの町の裕福な市民階級のおかみさん達を口説き、お金までをも騙しとろうとしますが、逆におかみさん達によってひどい目に遭わされるというお話です。 その主筋に、親に強要される結婚相手を拒み、駆け落ちする若い娘の恋物語が絡み、最後のウィンザーの森での大団円は賑やかに盛り上がります。 シェイクスピアの戯曲は、リーディングにとても適しています。 美しく、リズミカルで、時に悲しく、時にコミカルな言葉がつくり出す世界は、観客の「想像力」という翼を得て、豊かな物語として完成するのです。
スタッフ
作 | : | ウィリアム・シェイクスピア |
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訳・演出 | : | 江戸馨 |
作曲・演奏 | : | 佐藤圭一 |
キャスト
つかさまり かなやたけゆき
川久保州子 真延心得(劇団裏長屋マンションズ)
森由果 中アたつや(プロダクション・タンク)