シアターΧメールレター2005年5月11日号
□目次
●第21回シアターΧ名作劇場『ニ作品の時代背景と焦点』
●シアターΧ名作劇場 歴代公演写真掲載
●公演・企画情報
『桜の森の満開の下』オフィスエンドレス 5月11日〜15日
『蜜の味』古川オフィス 5月18日〜22日
『チェーホフ研究会』5月22日(日)
『音楽塾』5月22日(日)
『ニコロ・マキアヴェッリの生涯』平石耕一事務所 5月25日(水)〜29日
■■ 第21回シアターΧ名作劇場『ニ作品の時代背景と焦点』 ■■■■■
70年前の東京。それは昭和ひと桁の時代でもあり、現在70歳代の人たちが
子供だった頃のことです。関東大震災(1923年9月1日)を体験している人は
80歳代の人びとですが、当時赤ん坊だった人にとっては当然ながら記憶に
ないことでしょう。
今回上演する二作品が発表されたのは、「母の席」が1932年11月。「遺族
達」が1937年4月となっています。従って両作品に登場する人たちは大震災
の体験者である筈です。「母の席」作者の三宅由岐子は短命で、田中澄江の
「遺族達」が発表された年に亡くなっているのです。
二つの作品の共通性はあまりありませんが、70年前の東京の中流家庭が
舞台になっていること。両家とも電話やラジオがあること。主人公の「母」
(52,3歳・母の席)と「有田みつ」(47歳・遺族達)の二人とも夫に先立たれ
たこと。共に女中を雇っていること。子供たちが高等教育を受けていること
など生活に困ることのない家庭です。「大学は出たけれど・・・」という
言葉が流行したのもこの頃で、世界大恐慌で不景気故に職のない時代でした。
大震災から完全に復興してないこともあり、町で乞食が空き地にムシロを
敷いて日向ぼっこをしている写真も見ることができます。つまり決して好景気
ではなく、満州事変(1931年)が勃発し、日支事変(1937年)へと戦争色を濃く
して行く頃で、劇中にも国防婦人会という言葉が出てきます。自動電話とい
う耳慣れない表現もあります。
家庭内で交わされる親子、夫婦間の会話を現在と比較すると興味がわきます。
また、前記した電話やラジオがあった家は当時とても少数派であったことも
今日ではとても想像できないことでしょう。
時代背景や社会状況はあまりうかがえませんが、それだけに当時の中流の
上といえる家庭を見ることができるというものです。
(演出・川和孝)
公演情報はこちら
http://www.theaterx.jp/05/050628.html
チケットのお申込はこちら
http://www.theaterx.jp/ticket.html
■■ シアターΧ名作劇場 歴代公演写真掲載 ■■■■■■■■■■■■■
シアターΧ名作劇場は、1994年11月の第1回を皮切りに、前回で20回、
10年間 41作品を上演してきました。来月末第21回公演の前に、今までの
公演をご覧頂いている方は、思い返して頂き、まだ、名作劇場をご覧に
なったことの無い方は、雰囲気を感じてみてください。
http://www.theaterx.jp/meisaku/index.html
■■ 公演・企画情報 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
2005年5月11日(水)〜15日(日)
『桜の森の満開の下』オフィス エンドレス
[日程]2005年5月11日(水)19時/12日(木)19時/13日(金)19時/
14日(土)14時・19時/15日(日)13時、17時
[チケット]前売・当日 3,500円
http://www.theaterx.jp/05/050511.html
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2005年5月18日(水)〜22日(日)
『蜜の味』古川オフィスプロデュース 「蜜の味」上演実行委員会
[日程]2005年5月18日(水)19:00/19日(木)19:00/20日(金)19:00/
21日(土)14:30・18:30/22日(日)14:00
[チケット]前売・当日 4,500円
http://www.theaterx.jp/05/050518.html
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2005年5月22日(日)
『チェーホフ研究会』
チェーホフの『かもめ』における夢想家の形象
―コースチャはなぜ自分を撃ったのか―
[日程]2005年5月22日(日)14時〜
[参加費]無料(会員以外は500円)
http://www.theaterx.jp/ws/chekhov.html
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2005年5月22日(日)
『音楽塾』第32回 ベルリオーズの「幻想交響曲」
[日程]2005年5月22日(日)19時〜
[参加費]2,000円(会員登録制)
http://www.theaterx.jp/ws/ongaku2.html
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2005年5月25日(水)〜29日(日)
『ニコロ・マキアヴェッリの生涯』平石耕一事務所
[日程]2005年5月25日(水)19時/26日(木)15時/27日(金)19時/
28日(土)15時/29日(日)15時
[チケット]前売5,000円・当日5,500円・学生前売3,000円・学生当日3,500円
http://www.theaterx.jp/05/050525.html
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