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能塾『語りの宇宙』稽古照今 俳優修業
2012年11月〜2013年4月 毎週17:00〜21:00
稽古照今―古を稽(かんがえ)、今を照らすー伝統と現代
シアターΧ+笠井賢一
文字が生まれる前の神話は常に口承によって伝承されていた。
神々の物語は神が語るのが原則であり、神が人に憑依して語るという形をとる。
神話とともに始まった物語るという行為は演劇の発生に大きな役割をもった。
どの国でも物語るという行為は演劇の源でる。
そして物語は、神話であれ、歴史であれ、フィクションであれ、過ぎた時間を再現する行為であった。
その物語を更に凝縮して、今ここに再現する行為が演劇である。
日本の長い物語の歴史の中で、とりわけ優れた作り物語に『源氏物語』があり、叙事詩としての物語の傑作『平家物語』がある。
なかでも『平家物語』は日本の演劇の題材となり能・狂言や浄瑠璃・歌舞伎の重要な題材となった。
この講座は本年3月〜8月 全十二回のレクチャー&ワークショップ能塾『稽古照今−伝統と現代』の第二期として、「語り」に焦点をあて、『平家物語』を軸にして物語る演劇の現代演劇としての可能性を発見するためのものである。
今回は実技のウェイトを高くし、最終的にシアターΧでの上演をめざす。
私達が日々使っている稽古という言葉のルーツは古事記の序文にあり「いにし(古)へを稽(かんが)へ、今を照らす」という理解、訓読みをしている。
古人がかんがえ蓄積してきた教えを、素直に、考え抜いて理解し、自分の立つ今を照らし出していくことが稽古の本質である。また俳優という言葉は「わざおぎ」と読み、「わざ」−ことわざと言われるような隠された世界を「おぐ」−招き出し、発見する行為をする存在を意味する。
今回の仕事も前回からのその基本姿勢は同じである。
1.物語る演劇の歴史 レクチャー&映像 30分
東西の神話の比較 古事記 日本書紀 万葉集
歌物語の系譜 伊勢物語 大和物語
日本霊異記 竹取物語 源氏物語 栄華物語
今昔物語 平家物語 等
2.課題曲『平家物語』より 半年後の上演をめざす 120分
「祇園精舎」
「小宰相身投」
「敦盛最期」
「知章最期」
「壇ノ浦」(能登殿最期)
「大原御幸」
3.自由曲 参加者選択 90分
上演の構成の中に入れる可能性あり
講師 笠井賢一氏
1949年生まれ。今尾哲也氏(歌舞伎研究)に師事。歌舞伎俳優八世坂東三津五郎秘書として著作の助手を務める
演出家、能・狂言のプロデューサー。また劇作、演出家として古典と現代をつなぐ演劇活動を、能狂言役者や歌舞伎役者、現代劇の役者と、邦楽、洋楽の演奏家たちと続ける。作品古典の「古事記」から「源氏物語」「平家物語」、近世の近松門左衛門、また近世の夏目漱石、泉鏡花、宮澤賢治、そして新作能まで幅広く演出。東京藝術大学非常勤講師、玉川大学演劇科非常勤講師。アトリエ花習主宰
日程
2012年11月5日(月)〜2013年4月29日(月)
基本的に毎週月曜日17:00〜21:00
※17時に間に合わない方は、途中からの参加可。
※最終日は、劇場での発表(変更あり)
応募概要
- 受講料
- 月謝制:1ヶ月 12,000円
単発参加:3,000円
初めて受講される方初回限定:1,000円 - 会場
- ギャラリーΧ(シアターΧ(両国シティコア)2階)